​リンパ浮腫はどんな病気?

一言で言えば、「リンパ管やリンパ節の異常により腕や足のむくみが取れなくなる病気」。
でもね、容姿の変形という外見だけの病気ではないんです。名前のとおり、リンパの異常ですから内的要因からくる病気なのです。みなさんはちゃんと説明できますか?

むくみは誰にでも起こるもの。

通常のむくみは一晩の睡眠で元に戻ります。ところが、朝になってもむくみが引かず、むくみがじわじわと蓄積され、腕や足、お腹や陰部が腫れ上がっていくことがあります。これが「リンパ浮腫」。左右のどちらかに起こることが多いのですが、両肢に起こることもあります。
もしかしたらリンパ浮腫? と感じたら専門医のいる医療機関で受診しましょう。

​「どこで診てもらうの?

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リンパの働きが悪くて起こるリンパ浮腫。


人間の体はおよそ70%の水分があるといわれています。むくみとは、細胞からの水分が出たり入ったりする過程で起こるもの。体の状態が良ければ、出たり入ったりの水分量は同じなのですが、出てくる水分が多くて、再吸収されない状態が「むくみ」。​​​​​
体の水分のうち、
・毛細血管に吸収されるものが約90%
・リンパ管に吸収されるものが約10%
一時的なむくみは、毛細血管から漏れ出た水分が細胞間にとどまるというもの。血管の働きがよければまた吸収されて運ばれていきます。
対して、リンパ管やリンパ節の働きが悪く、漏れ出た水分が再吸収されずに起きるむくみがリンパ浮腫。​わずか10%の働きが悪くなるだけでむくみはどんどん蓄積されていくのですね。
むくみが蓄積されていきますから腕や足が腫れあがります。​片側の腕や足だけが腫れあがる事が多いので、体のバランスをとることが難しくなります。
歩行困難になったり、階段の上り下りが辛くなったり、上肢リンパ浮腫なら家事や日常の動作にも影響が出てきます。

リンパ浮腫は容姿変形の病気ではない

体の一部が腫れてくるので、容姿が変形する病気だと思われがちですが、それだけではないんです。リンパの流れが悪くて起こる病気なので内科的な病気でもあるんですよ。本来ならリンパ管を通って排出されるべき老廃物が体内に貯留されることになります。これが浮腫という状態。容姿が変わります。
そして、老廃物が体内に滞留すると新陳代謝が悪くなり、疲れがなかなか取れなくなる。免疫力が低下して慢性的に疲労している状態。これが内側ですね。

健康な人でもリンパの流れが悪くなると体調を戻すのに時間がかかります。では、リンパ管が細くなったり、途中でなくなってしまってるリンパ浮腫患者なら? 老廃物を運んでくれるはずのリンパ管が「ない」か「極端に少ない・細い」のです。そんな状態でどうやって体から疲れを抜けばいいのでしょうか。

「体を横にして休むこと」と「日常を適度に動くこと」。

矛盾しているかもしれませんが、この二つをバランスよく、交互に繰り返すことで辛さは少し軽減されるかもしれませんよ。
適度な運動で血流をよくして、老廃物を血流に乗せて運んでもらう。これだけでも浮腫は少し改善されます。ただし、運動のし過ぎは体に疲労を溜め込むので逆効果。​疲労しない程度の運動で血流を良くしてリンパの流れを促しましょう。
日常生活で適度に動く、それだけでも筋肉を使いますから運動になります。エクササイズ感覚で掃除するとか、洗濯物を干すときに爪先立ちになるとか。ちょっとした事でいいんです。

日常で気をつけることは?

リンパ浮腫になったら怪我にも注意。怪我をした時の治りが遅くなります。おそらく健康な方の何倍もの時間をかけてやっと創部がふさがります。​その間にもし、創部からばい菌がリンパ浮腫になった腕や足に入ってしまったら、蜂窩織炎や敗血症を起こし、命を落とす危険性があります。カバンには常に消毒液と絆創膏を常備しましょうね。

もしも疲れを溜め込んでしまったら。。。

余分な老廃物は細菌の餌となり、さまざまな感染症を引き起こす原因にもなります。特に、皮膚の深いところで起きる蜂窩織炎は、高熱を引き起こし、重症化するとリンパ浮腫を悪化させる原因になります。また、感染症によって敗血症を起こすと、死亡に至るケースもあります。
「健康体の方がかかる蜂窩織炎」と、「リンパ浮腫患者がかかる蜂窩織炎」では症状の出方が異なります。リンパ浮腫患者の蜂窩織炎は重症化する事が多く命を落とす危険性があります。皮膚科のお医者さんから見ると「大したことない」蜂窩織炎であっても、リンパ浮腫の専門医から見ると「ちゃんと治療しておかないと予後が悪くなる」、と認識が異なるかもしれません。
もしも、リンパ浮腫の患肢に異常(発赤や熱感)を感じたらすぐにかかりつけの医師(リンパ浮腫専門医)に受診しましょう。

また、リンパ浮腫を発症されていない方でも、リンパ節郭清を伴う手術を受けられたことがある方は、皮膚に異常を感じたらすぐにかかりつけのお医者さんに相談して、リンパ浮腫専門医を紹介してもらってくださいね。

​​「蜂窩織炎のこと